こんにちは、あーさんです。
どうしてもできないことが多いと言われているADHDや自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)ですが、前回は家庭家事編の「できない」「やらない」の見極め方法を妻視点で解説させて頂きました。


今回は、会社・職場という環境で、発達障害の方の仕事が「できない」「やらない」の見極め法と、彼らの心理、対応の方法を解説していきます。
目次
職場での発達障害疑惑
いきなりですが、
職場で上司・部下・同僚が、発達障害かもしれない…と思った経験、ありませんか?
何度注意してもミスが治らない、仕事を覚えられない、スケジュール管理ができない、整理整頓ができない、遅刻が多い、職場の空気が読めない等等…。
もちろん、本当にその方が発達障害かというのは不明ですが、発達障害の症状に当てはまることが多すぎると、
と、思わざるを得ない時もありますよね。
では、その方が発達障害か否か、という問題は横に置いておくとして、アスペルガー症候群の疑惑が濃厚で普段の生活ではADHDの症状も顕著に出ている、社会人生活10年を余裕で超えている我が夫から言わせれば、
仕事でいくら言っても「やらない」場合は、「できない」!
と、判断してOKと言っています。
「できる」のなら最初からできている(そりゃそうだ)、「できない」から、何度も何度も周囲の人間が注意せざるを得ない状況になっていると言います。
ADHDの方は、本人が一番苦しんでいる
職場の方が発達障害か云々かはさておき、もしも発達障害だとしたら、できないものはできないのが発達障害です。
(参考までに! 当事者に聞いてみた、「できない」理由)

例えば、
- ケアレスミスが多い
- 忘れ物が多い
- 時間管理ができない
- 優先順位がつけられない
- マルチタスクができない
これら大人のADHDの症状は、全て夫も当てはまっています。
私と結婚してアスペルガーかもしれないと言われる前の20代の時から、上記の症状が顕著で仕事ではミスを繰り返し、上司に怒られ続け、仕事が終わらないせいで夜中までの残業が連日で、当時は肉体的にも精神的にもかなりきつかったそうです。
なぜ「できない」のか、自分でもよくわからなかった
と夫は言っています。
夫はケアレスミスをする常習犯です。
自分のミスで上司から怒られ、残業をせざるを得ない状況が続き、体力的にも限界で、でも、自分でも注意をしているつもりなのにどうしてこんなにやらかし続けてしまうのか、本人もよくわからない。
当時夫が精神を病まなかったのは幸いですが、
仕事が「できない」自分とのギャップに一番悩んでいるのは、おそらく「できない」ご本人
です。
一緒に働いている同僚もきついかもしれないですが、誰よりも本人が一番苦しんでいるのは間違いないです。
(参考までに! 夫でなくても他人でも応用可能! ケアレスミスが多いADHDには、具体的解決法を教える!)

アスペルガー症候群は無自覚だと周囲がきつい
ADHDであれば、多少は「できない」自分との間にギャップを抱くこともできますが、例えば、
- 曖昧な指示だとわかりにくい
- 相手の表情や言動から気持ちを推し量れない
- 場の空気が読めない
- 自分なりのこだわりがあって、変えられない
- 急な業務変更に対応できない
これら、大人のアスペルガー症候群の症状としてよく挙げられるものです。
夫も一部改善してるとはいえ、全てに当てはまっていますが、これらの症状を持った方がご自分の特性に無自覚だった場合、ご本人よりも周囲の人間の方に支障がきたします。
いくら注意しても、その方なりのこだわりからやり方を変えられずに効率が悪いままでも、他の方ならわかる曖昧な指示が理解できず結果的に何もしていなくても、
本人に手痛い不利益がない
ため、ご自分は何が変わればいいのかわかっていませんし、しかも周囲の人間が迷惑を被っていることにも気付けません。
しかも無駄にメンタルが強かったりする。
せいぜい上司やお客さんから怒られることが不利益ですが、
- ある意味怒られていることにも慣れていたり、
(内心では「やっちゃった…(泣)」と落ち込んでいても、表情に出ない) - 相手の激怒している感情が理解できなかったり、
(相手は激怒レベルでも、本人は「ちょっとだけ」怒られたと認識) - 本心では自分は悪くないと思っていたりする
(逆ギレしてくる人は、このパターンが多い)
ので、華麗にスルーできるスキルを持っています。
反省してるつもりでも、表面は全く変わらないので相手に伝わらない
このパターンだと、誰よりも一緒に働いている同僚の方々が一番辛い立場になります。
(参考までに! アスペルガーの方に自覚を促すのは難しいですが、損得勘定で説明すれば頭に入るかもしれません。他人でも応用可能です)

(参考までに! 価値観を押し付けてくるアスペルガー症候群の対処法。こちらも相手が夫でなくても、他人でも応用可能です)

「できない」「やらない」の見極め方
では、発達障害かどうかという問題はともかく、いくら注意してもミスを連発し、いくら仕事を教えても全く覚えられないという同僚がいる場合、
再三の注意・教育をしても「できない」ならば、それは「できない」こと
です。
逆に、何度目かの注意の後に「できる」ならば、単純に「やれなかった」だけです。
この違いだけわかっていれば、職場での困った同僚に対応ができます。
発達障害かもしれない同僚が職場にいる場合
「やれない」同僚・部下ならばさほど問題ないですが、同じ職場で働いている以上、
一番困るのは「できない」同僚・部下がいる場合
ですね。
私も以前勤めていた会社で経験がありますが、そんな同僚がいる場合、
諦める
か、
離れる
しかないように思います。
本来ならば、ご本人が自分の特性を自覚して頂くのが一番改善の道に繋がるのですが、さすがにただの同僚相手に、
「あなた、発達障害じゃない?」
とは、言いにくいものです。
もし勇気を出して進言してみても、相手の方がご自覚をして改善の意欲を見せてくれないと、何の意味もありません。
また、上司に泣きついてなんとかしてくれと頼んでも、会社としてその方を徹底指導もしくは解雇できないと言うのなら、一会社員としてはそれ以上は何もできないのが現実です。
相手の方と信頼関係が築ければまた状況が違ってきますが、信頼関係を築くまでに何年もかかるかもしれません。
私も過去の職場でアスペルガーっぽい方がいらっしゃいましたが、私はやはり極力避けていましたし、結婚してから勤めたパート先にもいらっしゃいました。
ご自覚がなかったのか周囲の人間ばかりが迷惑を被っていて、私は勤務時間帯が違ったのであまり接触はなかったものの、たまにその方と働くと、いつもより職場の雰囲気が悪くなるのが目に見えてわかりました。
ご本人に悪気がないのは重々承知していますが、確かに一緒に仕事をしているとこちらの仕事が余計に増えるしイライラもするので、申し訳ないですが離れていた方が気が楽なのです。
相手の特性に沿った対応をする!と言われても…
もちろん、ひとつひとつの特性に対しての対応はできますよ。
例えば、急な業務変更ができない方の場合はこちらの記事を参考にして頂くとして、

他にも、ひとつひとつ明確な指示を出すとか、得意・苦手分野をこちらも把握しておくとか、その方その方に合った対応策は色々あるし、試してみるべきです。
特にあなたが上司の立場にあるならば、職場全体を見回しながら疑惑のある部下の特性をキチンと見極め、対応策を練ることが可能でしょう。
下記の記事にも書きましたが、

こちらは発達障害夫に対する妻の対処法とはいえ、対策の根本は同じです。
仕事ができないものはできないのだから、できないことをただ叱って終わらせるだけではなく、
どうやったらできるようになるのか、
方法論で考えた方が良い時もあります。
色々な方法を試してそれでもできないならば、
できることを探してみる
のもひとつの手です。
その方の得意なことを伸ばしてあげるような指示・業務振り分けができれば、双方にとって良い方向に向かいます。
ただし、これが単なる同僚やましてや相手が上司の立場となると、そう上から指示ができないし、相手の特性を見極めるのも難しくなります。
こちらだって仕事があるのに、仕事が「できない」同僚の相手なんてしてられません。
なので、
「いちいちそんな対応なんてやってられるか!」
と仰るならば、それはそれで対応なんてしなくていいですし、全く問題ありません。(業務的には問題大アリでしょうが…)
というか私の経験論で申し訳ないですが、私のように自分の夫が発達障害かもしれないと言っても、正直、
自分の夫ですら対応を考えることが面倒
な時があるんです。
夫が理解できるようにいちいち文言を考えたりしないといけないし、ケアレスミスや変なこだわりを持ったせいでのやらかしが立て続けで起きれば、今だって腹立つ時が多々あります。
結婚した夫ですらこうなんですもん、それが赤の他人の同僚となったら、そりゃあもうふざけんなだし、面倒極まりないですよ。
また、身近な人が発達障害ですと、夫婦間だけではなく、職場の同僚間でもカサンドラ症候群になり得るので、これは夫の場合でも同じなんですが、
逃げることも大事
です。
「なんだかおかしい…。もう無理だ…」
仕事に行きたくても行けない…
と感じたら、今すぐに(退職する等して)相手から逃げてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
職場に発達障害かもしれない方がいらっしゃっても、その正確な判断はひとまず置いておいて、
- 再三、注意・教育してもずっと「できない」
ならば、とにかく個々にあった対応が必要になってきます。
ケアレスミスが目立つ等ADHDの症状が強く出ている方ならば、ご本人も内心では辛い思いをされているかもしれないので、
ご本人が特性を自覚して頂ければ、
上司や同僚とも協力して、なんとか症状を緩和させることが大いに可能です。
こだわりが強い等アスペルガーの特性が出ている方ならば、ただの他人である職場の同僚がご本人に自覚を促すことは非常に難しいので、
一緒に働いている同僚たちが一番辛い立場
に置かれます。
そんな時は、
- 可能であれば個々に合った対応をする
- その際、できないことを叱るだけでなく方法論で考える
- どうしてもできないなら、できることを探す
等、できる範囲での対応策を考えるようにしましょう。
立場上、もし対応ができないのなら、
- 最初から諦め、相手から離れる
- 業務上、どうしても離れられないなら、退職する等で逃げることも大事
なので、あまり自分を追い詰めないようにしましょうね。
家族であっても一緒にいることが辛い時だってあるのだから、ましてや他人だったら、仕事という共同作業をしているチーム内で一緒にいれば尚のこと辛いです。
自分の症状・特性を自覚していない方は非常に厄介ですから、もし逃げることになってもあなた自身は何も悪くありません。
自分を責める必要は全くありませんよ!
……というわけで、ADHD・アスペルガーの心理から探る「できない」「やらない」の見極め方法! 仕事編 でした!
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