こんにちは、あーさんです。
「大人の発達障害」という言葉がネットやテレビでもよく見られるようになりましたが、同じように、「カサンドラ症候群」という言葉も少しずつ広まってきた昨今。
我が夫の場合、正式な診断は受けていませんが、WAIS-Ⅲ(知能検査)の結果「アスペルガー症候群」の疑いがあることまでは指摘されています。
(参考までに! 夫がWAIS-Ⅲを受けた時のお話)
夫に対しては、もちろん「発達障害だな~」と思わせる症状も多々見受けられ、妻として私も日々イライラさせられることは多いです。
しかし、おそらくというか、確実に私はカサンドラ症候群ではありません。
夫が大人の発達障害かもしれなくても、妻の私がカサンドラ症候群にならなかった理由、そしてこれからも絶対にならない自信があるのには、もちろん理由があります。
私の場合、つい最近になって上手いこと夫婦として機能し始めたばかりですが、私たち夫婦のケースを解説させて頂きます。
目次
カサンドラ症候群とは?
そもそも、カサンドラ症候群とは何か?
皆さんもうご存知だろうと思うので軽ーい説明になりますが、要は、
アスペルガー症候群である配偶者やパートーナーとの関係が原因で、自己評価の低下・不眠といった抑うつ・自律神経失調症の症状等が出る、心身共に不調に陥る状況
のことです。
アスペルガー夫が原因で妻の方が抑うつ状態になることもある、恐ろしい症状です。
私がカサンドラ症候群にならなかった理由
では、夫がアスペルガー症候群かもしれないけど、私がカサンドラ症候群にならなかった理由とは、何か?
それは、
- 夫自身が発達障害であると自覚する
- 夫が妻の言い分を理解しようという意識を持つ
- 妻が夫に対して我慢をしない
この、3つです。
1と2は、夫側からのアプローチ。
3のみが、妻側からのアプローチですね。
夫側からのアプローチがちょっと(かなり?)難しいかもしれませんが、ひとつずつ解説していきます。
1. 夫自身が発達障害であると自覚する
発達障害は、やはり自覚することが一番大事です。
全ては、この自覚から始まると言っても過言ではありません。
配偶者がカサンドラ症候群にならないためにも、この自覚は絶対必要です。
自覚もしないで、自身の困った特性、更に妻との関係改善なんて、できるわけがありません。
上から目線で申し訳ないですが、夫自身には、
- ご自分が脳機能障害でもある発達障害だということ
- 発達障害は、無意識に周囲に迷惑をかけることが多いこと
- 特に家族に対しては、その被害が甚大であること
を、絶対に自覚して頂くべきです。
「悪意はない」?
「でも事実しか言っていない」?
その思い込みが甚だ迷惑なんだよ
ということも、合わせて自覚して頂くべきです。
……ちなみに私は、「悪意はなかったんだよ」を繰り返す我が夫に対し、懇々と説明したことがあります。
あのさぁ、悪意がなければ何してもいいわけ?
それって姑が嫁をいびる時に使う常套手段の言い訳だよね?
もちろん悪意があるのは論外だよ。絶対ね。
だけど日本の法律はね、過失で相手の命を奪うだけでも刑罰になるんだよ?
つまり、罪は多少軽くなっても許してはくれないわけ。
まさか、命は奪ってないんだから過失を繰り返す人間に対し、「仕方ないよね」で何十回も何百回も何千回もこちらは許さないといけないなんて言い出すの?
つーかさ、法律だったら例え本当に悪意がなくても何十回何百回と過失で命を奪う人間がいたら、「故意」かもしれないって疑われて当然な流れなんだよね。
発達障害だって同じなんだけど?
「悪意はなかった」で何度も相手を傷つけるのが許されるなんて思わないでよ。何度注意しても同じこと繰り返されるなら、それはもうこちらとしたら「悪意」そのものなんだよ。
「悪意はない」なんて、そんな自分にだけ都合の良い解釈を振りかざして、人間関係上手くいくわけないじゃん。
そうやってテメーの価値観だけを押し付ける生き方しかできない~無理~とか言うなら、これからずっと一人で一生生きていけよ。その方があんたの言う大事な「家族」に迷惑かけないで済む話なんですけど?
……と、かなりキレ気味に上記を説明したら、夫はようやく、
「うーん……」
と考え込み、反論してこなくなりました。
「悪意がない」と繰り返すことがいかに罪(不愉快)なことか、おそらく夫の中で納得しきれはいないように見受けられましたが、少なくとも、
妻である私に「悪意はないから許して」と主張する
↓
妻がめちゃくちゃ怒る
という構図は出来上がったようで、以来、「悪意はなかった!」と主張することはなくなり、何かやらかしても、素直に謝罪してくれるようになりました。
「とりあえず、悪意がないと言うのは止めておこう!」
……が、その謝罪が「悪いねっ」と軽い時もあるので、その軽さに私が更に怒る時もありますが。
また、
「事実しか言っていない!」
と主張するアスペルガーの方の場合、常識が通じなかったり無駄に頑固だったりして、とにかく自分の価値観が悪いなんて微塵も感じていない方が多いように感じます。
周囲が怒っても、もちろんどうして周囲が怒ってるかが理解できないし、だからといって自分を改めなきゃいけないなんて発想は1ミリだって浮かばない。
ここまで重症?のアスペルガーの方だと、家族じゃなければ「関わらないでおこう」で済みますが、家族だったらそうはいきません。
なので、ご家族は本当に大変です。
(参考までに! ひとつの価値観しか持ち合わせていないアスペ夫への対処法)
旦那様がここまでのアスペルガーで、奥様にまだ愛情が残っていれば、
これらの記事を参考にして頂いて、旦那様に自覚して頂けるよう頑張ることも良いかもしれませんが、それこそカサンドラ症候群になってからでは遅いです。
ここに書かせて頂いたように、一緒にいるのが本当に無理だと感じたら、旦那様から離れることも視野に入れて、ご自分の幸せを一番に考えるようにしましょう。
要は、とにかくご本人が発達障害であることを自覚すること。
発達障害は何事も全て、自覚しなければ何も改善されません。
何よりもまず自覚をしないと、
一緒に生活している配偶者がただただ辛いだけです。
2. 夫が妻の言い分を理解しようという意識を持つ
我が夫は、幼少期から大人や友人から怒られるor喧嘩をすることが多く、大人になってからもケアレスミスが多い人生だったせいか、WAIS-Ⅲ(知能検査)を受けて自身が「アスペルガー症候群」かもしれないと指摘されても、(普段の症状からADHDだと思っていたので)驚きはしましたが、案外すんなりと腑に落ちたようでした。
なので、自分が発達障害かも、ということはすぐに自覚してくれたし、結果、
「妻である私の言い分をしっかりと理解したい」
と思うようになったと言います。
夫は自分が発達障害かもしれない、と自覚しています。
そのおかげで、周囲に迷惑をかけることが多い、ということも自覚しています。
中でも、妻である私に不愉快な思いをさせることが多い、ということも自覚しています。
だからこそ、妻の不満を溜め込ませまいと愚痴は聞いてくれるし(私がキレると面倒だから、という理由もあるようですが)、私の言い分・考えも、全て否定せずに一旦は理解しようと考えてくれるようになりました。
「まずは妻の話を否定せずに聞かねば…!」
このように、夫が全てを自覚して私に寄り添ってくれているからこそ、
私はカサンドラ症候群になっていない
のだと思います。
私も、夫の障害を理解してなるべく言葉を選んで会話をするようにしていますし、正式に医師から診断は受けていないものの、
「自分は発達障害かもしれない」
と夫が一番に自覚してくれたことで、互いに寄り添える関係を築き始めることができたと自負しております。
3. 妻が夫に対して我慢をしない
3つの理由の中で、唯一の妻側からのアプローチが、
我慢をしない
です。
夫が私に寄り添ってくれているとはいえ、私はできた人間ではないので、頻繁にケアレスミスをしたり意味不明な言動・行動を繰り返す夫に対し、普通にイライラもするし怒りもします。
元々、私は言いたいことははっきり言う性格です。
それまでも、知能検査を受ける前の夫とは会話が上手く成立せず、夫に私の気持ちが全く伝わらずにもどかしさばかりを感じていましたが、夫が発達障害かもしれないとわかった時点で、更に我慢することを止めました。
「発達障害は障害だから、周囲の人間、特に家族の方が理解をしてあげて相手に合わせましょう」
……みたいな対処法がありますよね。
私も、夫の症状に合わせて言い方を考えたりすることは通常運転になりつつありますが、だからといって、夫のやらかしたことに、
と思うだけで我慢することは、絶対にしません。
私は聖人ではありません。
私ばかりが発達障害の夫に合わせなきゃいけないなんて、理不尽としか思えません。
いくら自己中と言われようが、ここだけは譲れません。
更に、夫はこちらが説明しないと理解できません。
「ここまで言えば察してくれるだろう」は、100%通じません。
私が嫌なら「嫌だ」ということを口に出して言わないと、夫には全く伝わりません。
なので、文句はめちゃくちゃ言います。
やらかした責任は自分で負って貰うし、反省もして貰います。
発達障害だからといって、何もかもが許されるなんて思われたら迷惑だからです。
「発達障害の人間は自己肯定感が低い」と言われていて、夫も、
と、素で言うくらい自己肯定感は低いですが、それでも、文句は言わせて貰っています。
過去には、その言動がいかに相手を不愉快にさせているか、というのも説明しました。
「俺はこう思うから良いと思った」とか、そんな自己都合解釈は世間では一切通じないことも説明しました。
とにかく、相手に対する不満は全部相手にぶつけるようにしています。
以前は、この不満をぶつけても夫自身が話し合いから逃げようとしたり、私の言い方が悪かったのか理解できていないような素振りをしていましたが、夫が自覚をしてくれてからは、私の言い分を理解しようと一度は考えるようになったので、夫も私の感じる不満を理解できるようになってきたように感じます。
はっきり言って、アスペ夫に我慢したって無駄です。ストレス溜まるだけですよ。
それでなくとも、元は他人なのでお互い様でしょうが、発達障害の夫との生活にはストレスが溜まりがちじゃないですか。
だから、夫との生活に我慢なんて必要ありません。
だって、当の夫本人が我慢なんてしていないんですよ?
妻の私たちまで我慢する必要なんてありますか?
「男なんてそんなものよ」
「妻のあなたの我慢が足りないんじゃない?」
「でも稼いできてくれてるんだから感謝しなきゃ」
なんて、無知な人間の言うことは無視しましょう。
だったらお前がコイツの世話してみろや!
と内心で本音をぶちまけ、表面では華麗にスルーでOKです。
無神経な夫の発言・行動には、一切我慢をしない
のは、アスペルガー夫を持つ妻の鉄則ルールです。
キレる時は遠慮なくキレるのが、私のやり方!!
まとめ
私たち夫婦の場合、妻の私がカサンドラ症候群にならなかった3つの理由として、
- 夫自身が発達障害かもしれないと自覚してくれた
- 夫が妻の言い分を理解しようという意識を持ってくれた
- それでも色々やらかす夫に対し、妻が一切我慢せずに文句を言う
ことが、最大の理由だと思っています。
3つ目の、
「自覚までしてくれて妻の言い分まで理解しようとしてくれる夫に対し、妻のあなたは一歩も譲らず文句はしっかり言うの?」
というご意見が聞こえてきそうですが、ここは絶対に譲れないです。
妻が我慢していても、夫はそれが当たり前になるだけなので何の改善にも繋がりませんよ。
もっとはっきり言ってしまえば、単純に妻の我慢し損になるだけなので、私は絶対に夫に我慢しないと決めています。
夫も、私に対してはちっとも気遣いも我慢もしていないし、もし不満があれば私にはっきり言ってくるので、そこは対等かなと思っています。
そんなわけで、夫婦とはいえ人間として最低限の気遣いはもちろんしていますが、こちらがストレスで禿げ上がるくらいなら、無駄な我慢は必要ないと考えています。
(というか、一緒に生活していれば大なり小なり、夫婦お互いに我慢せざるを得ない時はあると思うので、一歩も譲っていないわけではないと思うんですよね~)
もちろん、夫には感謝しています。
発達障害かもしれないとすんなり自覚してくれて、私のことも理解しようとしてくれて、家族を大事に考えてくれている所は、とても有難く感じています。
だからこそ、私たちは今も夫婦を続けていられているし、私自身もカサンドラ症候群にならずに済んでいるのだと思っています。
最後に、これだけは絶対に断言できますよ。
妻だけが我慢をしてたって、アスペルガー夫との関係が改善するわけないですからね!
(参考までに! 夫婦生活は一方だけが我慢するものではありません)
(更に、妻側ができる、カサンドラ症候群にならないための3つのポイント!)
……と、いうわけで、夫が大人の発達障害かもしれないけど、私がカサンドラ症候群にならなかった3つの理由 でした!
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