こんにちは、あーさんです。
長女の1歳半健診時に発達相談もさせて頂いた心理相談員さんとの話の中で、興味深い話がいくつかあったので、前回に引き続き少し紹介させて頂きます!
ついつい夫の発達障害疑惑の話をしてしまいがちだったんですが、ADHDの症状について話をしている時にその延長で、子ども時代によくある症状への対処法を教えて頂きました!
目次
ADHDの典型的症状、授業中に立ち歩いてしまう子どもへの対処法!
我が夫も小学生の低学年くらいまでは、授業中だろうがなんだろうが、
「騒いだり立ち歩いたりしてはいけない時間なのに、それらをやってしまう」
という特性を持つ少年でした。
(参考までに! 夫の小学生時代の典型的症状はこちらから)
ちなみに、ADHDの我が甥っ子も、授業中に突然歌い出したり、興味のない授業はすぐに寝てしまったりする少年でした。
数年前の甥っ子の時代はまだしも、私たちが子どもの時は「発達障害」という言葉すらなかった時代です。
授業中に立ち歩く夫に、担任の先生はただ頭から叱りつけていたそうです。(当時の考え方では、当たり前と言えば当たり前の話なんですが……)
だけど、現在は「発達障害」というものがわかってきました。
心理相談員の方曰く、
授業中など騒いではいけない時間に騒いでしまう子には、頭からただ叱りつけるのはNG
だということです。
1. 注意する時は、「人格」と「行動」を分ける!
私たちが小学生の頃は、単純に「授業中に勝手に立ち歩いたらダメ」なのがごくごく普通の暗黙の約束で、その約束を破ることは、問答無用で叱られるのが当然の時代でした。
夫も証言しておりますが、授業中に騒いだりしたら速攻で担任の先生から叱られていたそうです。
(繰り返しになりますが、おそらく私ら世代より上の世代方の子ども時代は、本当にそれがごくごく当たり前の時代でした)
しかし現在は「発達障害」の認知も広まり、「授業中に騒いでしまう等してしまう子」には、
その「行動」と「人格」を分けて叱る
のが基本になっていると、心理相談員の方は仰っていました。
例えば、夫のように授業中にサイレンの音等が鳴れば、授業中だろうが関係なく音が気になって立ち歩いてしまう子には、
「音は気になるよね。でも今は授業中だから歩いたらいけない時間だよ。座ろうね」
と、あくまでやってしまった行動だけを注意して、人格否定はしないようにします。
昔だからありがちな、
「どうして授業中なのに立ち歩くの! 早く座りなさい!」
という風に叱ってしまうのは、「行動」と共に暗に「人格」も否定している叱り方なので、現在はそのような叱り方は否定的になっているとのことでした。
上のような叱り方では、直接的な言葉で「人格否定」はしていないものの、
「どうしてこんなこともできないの!」
という意味が言葉の裏に隠され、しかも頭ごなしに抑えつける言い方なので、叱られた本人はただ「叱られた」ことしか頭に残っていません。
「なぜ怒られたか」を理解していないので、同じことを何度も繰り返し、同じことで何度も叱られるという悪循環に陥るのです。
2. そもそも、発達障害の子たちは❝暗黙❞の約束を理解していないことが多い
こちらの記事にも少し書きましたが、
発達障害の方は、
「Why?(なぜ?)」
を理解していないことが多いです。
「大人ならばこんなこといちいち言わなくてもわかるよね?」
ということが、本当に理解できていません。
私もつい最近、上の台詞と似たようなことを夫にぶつけたばかりです。
「なんでいい歳した大人にいちいちこんなこと言わなきゃならないんだ!」
と。
大人ですら、こうなんです。
つまり、子どもでは尚更です。
この授業中の件も、おそらく、ほとんどの定型発達の人間が、
「どうして授業中に勝手に立ち歩くの?」
という疑問を持つでしょうし、当然のように、
「授業中は騒いだり立ち歩いたりしてはいけない」
ことを、なんとなくですが最初から理解しています。
この、
「なんとなく言われなくても理解できる」
「一度叱られれば、次は何をしてはいけないかが理解できる」
が、どうしても発達障害の方が苦手とする分野なのです。
……もしくは、「授業中に立ってはいけない」ということは一応理解しているつもりでも、
「なぜかわからないけど、やらかしてしまう」
「前回と少しでも違う状況だと、やってもいいと勘違いしてやらかしてしまう」
ということも、発達障害あるある思考なのではないかと、夫は証言しています。
「前回と少しでも違う状況~」というのは、例えば、上記の授業中にサイレンの音が鳴って席を離れてしまったという、夫の経験の一例からで言うと、
授業中にサイレンの音が鳴る
↓
サイレンの音の出所の方が気になって窓の方に駆け寄る。
(頭では授業中だから席を立ってはいけないと、一応理解はしている)
(だけど「サイレンの音の確認」の方が大事だと思い込み、立ち上がる)
↓
先生に叱られる。
↓
その場で「叱られた」ことを認識。
(「あ、やっちゃった。 サイレンの音はダメだったんだー」という認識)
↓
別の日、校庭で他のクラスの体育の授業中に歓声が上がる。
↓
歓声の声の方が気になって窓の方に駆け寄る。
(頭では授業中だから席を立ってはいけないと、一応理解はしている)
(だけど「歓声の確認」の方が大事だと思い込み、立ち上がる)
↓
先生に叱られる。
↓
その場で「叱られた」ことを認識。
(「あ、やっちゃった。 校庭の歓声はダメだったんだー」という認識)
……と、いう風に、定型発達の人間だとなんとなく最初に叱られた時に理解できるであろう、
「大きな音がしたからといって、いちいち授業中に立ち歩いてはいけない」という大まかな意味合い
を、夫は理解できていなかったのです。
大まかな意味合いを理解できないので、上記のようにサイレンと歓声という、少しでも違うパターンがあると、夫のような人間は何度でも同じことをしてしまいます。
しかし、私たちからすれば「ほとんど同じことをしているのだから叱られて当然」なのですが、夫からすれば、
「その都度言ってくれなきゃわかるわけないじゃん」
というのが、心の底からの本音だそうです。
3. 約束事はその都度、細かく伝えることが大事
もし、「授業中に立ち歩いてはいけない」ことをそもそも理解していないお子さんならば、
それを言葉にしてしっかり伝えるしかない
と心理相談員の方は仰っていました。
「授業中というのは、勝手に立ち歩いてはいけない時間なんだよ。それはどうあっても、絶対に変わらないルールなの」
と、お子さんが理解するまで、何度も言うしかないのです。
そして、夫のように少しでも違うパターンがくると同じことをやらかしてしまうお子さんならば、その都度その都度、
「サイレンの音は気になるけど、でも今は授業中だから歩いたらいけない時間だよ。座っていようね」
「校庭の声が気になるけど、でも今は授業中だから歩いたらいけない時間だよ。座っていようね」
と、違うパターンごとに注意するしかないのです。
少々面倒でしょうが、理解できればしっかりと行動に移せるのも発達障害の方々の特徴です。
夫はよく、
「行動のパターン化」
という言葉を口にしますが、今回の件もまさにそれで、細かく約束事を伝えて行動をパターン化して貰えば、子どもでも少しずつ態度が改善するはずです。
(参考までに! 行動のパターン化は、色々な行為に応用できます)
(行動のパターン化をマスターすれば、大人になった時に仕事や家事にも応用可能です)
まとめ
最後になりますが、授業中に立ち歩いてしまう等、子どものADHDの症状への対処法は、
- 注意する時は「行動」と「人格」を分ける!
- みんなが理解しているであろう暗黙のルールも、しっかりと言葉にして伝える!
- 何か失敗する度に、その都度何がいけなかったかを細かく教えて注意する!
教師でなくても、親御さんも日々の生活の中で実践していけるといいですが、ADHDの子を育てている姉も
「正直本当に面倒くさい時がある……」
と言っていて、夫婦だってイラつくことが多々あるんだから、親子でも当然イライラすることは多いんだろうなと思います。
ただ、頭ごなしに叱り続けると自尊心を傷つけ続けることにもなり、そうなると自己肯定感も低くなります。
夫がまさにそうなんですが、子どもの時から大人になっても叱られっぱなしの人生なので、逆に
「プライドなんてあったら俺、今頃生きていないよ(笑)」
と冗談なのかわからない冗談を言っているくらいです。
これはこれで自尊心なさすぎだよな……と、私も妻として複雑な気持ちになっていますので、もし自分の子が発達障害でも、(こんな言い方夫には申し訳ないですが)夫のように感じさせないよう、大人も言い方に注意しながら、少しでも自信が持てる何かを教えてあげたいと私個人は考えています。
簡単ではないでしょうけどね^^;
(追記! 長女の発達障害が確定しました)
(長女が自閉症スペクトラムと診断! 我が家の3歳女子の症状は?)
……と、いうわけで、おまけ・心理相談員さんから教わった、子どものADHDの症状への対処法 でした!
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